雑多なこけ -> 保証はしない雑学 -> 数学(さんすう)

なぜ分数のわり算で落ちこぼれるか?

わり算をどうやって教えられたか

私たちは、一番最初にわり算を覚えるとき、どうやって教えてもらったのでしょう?例えば4÷2は、4個のリンゴを2人で分けたらいくつになるでしょう?と教えられたのではないですか。まあ、リンゴではなかったかもしれませんが(^^;

さて、これは一見正しいように見えます。答えはもちろん2ですから、文句のいいようがありません。では、これと同じ説明で4÷1/2を説明してもらいましょう。4個のリンゴを2分の1人で分けたらいくつになるでしょう?理解できましたか?この問いに答えは8と答えられる子供たちは、どれくらいいるでしょう。

すなわち、答えられなかった子供たちが即落ちこぼれとなるのです。算数ができなければ、数学などもってのほか!!理数系の大学など目も向けず、日本の技術力は凋落の一歩!!!!21世紀に希望は無いのです<大袈裟(^^;


本当にわり算は・・・・・

本当に4÷2は、4個のリンゴを2人で分けたらいくつになるでしょう?という意味なのでしょうか。否!!絶対に否なのです!!

実際は、4個のリンゴは2個のリンゴの何倍に当たるか!!これが4÷2の本質なのです。

では、先ほどの分数はどうでしょう。4÷1/2は、4個のリンゴは2分の1のリンゴの何倍に当たるか!!この方が、うんとわかりやすいではないですか(^^)

わり算は何かを何かで割る計算方法ではなく、何かと何かの比率を算出する計算方法だったのです。


分数割る分数は

さてこれからが、本題です。ある数を分数で割った場合に、変な計算方法を教えられます。そう、除数の分母と分子を入れ替えて被除数と掛け合わせるというあれです。

3/8÷2/7の計算方法(あれ)

−あれ−

しかし、記憶をひもといても、なぜそうなるかをわかりやすく教えてもらった覚えがありません。覚えていないだけ、という可能性もありますが(;;)

なぜ、分母と分子を入れ替えて掛け合わせると、答えが出るのでしょうか?簡単な例で考えてみましょう

3÷1/2はどうでしょう、3は分数で表示すると3/1となるのはおわかりですよね。すなわち、3/1÷1/2という分数のわり算です。

まずは、先ほどの考え方で、分数同士のわり算を考えてみましょう。3つのリンゴは、半分に切ったリンゴの何倍に当たるかです。答えはもちろん6ですが、この6はどうやって求めたのでしょう?

ある数を1/2で割ると云うことは、ある数が1/2の何倍に当たるかということなので、ある数を倍にしてやれば答えが出るのは当然のような気がしますね。

同様に、ある数を1/3で割るのは、ある数が1/3の何倍に当てるかということなので、ある数を3倍してやれば答えが出ます。

これは、ある数を1と仮定するとわかりやすいでしょう。1は1/3の何倍に当たるかという問の答えは、1/3が1を3つに分けた一つであるので3となります。そしてある数というのは、1をある数倍したものなので、ある数×3がある数を1/3で割った答えとなるのです。

分数計算 1÷1/3は?

−ある数を1と考えると−

では、除数が2/3の場合はどう考えればよいのでしょう。分子が1ではない場合です。

1/3と2/3の違いは、分子が倍になっているところですが、分数の分子が倍になっているということは、その分数の値そのものが倍になっているということです。よろしいですか?

8÷2と8÷4の例を挙げるまでもなく、わり算で除数が倍になるということは、答えが半分になると云うことです。除数が3倍になれば当然答えは3分の1になります。わり算が、被除数は除数の何倍に当たるかという意味であることを考えれば当たり前のことですよね。

まずは8÷2

−被除数をそのままに除数を倍にすれば−

で、8÷4はというと

−当然答えは半分になりますね−

ということは、ある数を2/3で割ると云うことは、ある数を3倍して2で割ればよいと云うことです。5÷2/3で考えれば、5×3÷2ということになりますね。

ちょっと待ってください、5に3÷2を掛けているではありませんか!!!3÷2とはすなわち3/2。そうなのです、いつの間にか除数の分母と分子をひっくり返して被除数に掛けているではないですか(*o*)

おわかりになっていただけたでしょうか?

このページの内容は、数学的に証明しようとしたものではなく、何とか納得できるものをと考えて作ったものです。「当然・・・」等々、数学的には不適切な表現がありますが、ご容赦願います。まあ、なにがしかの理解の一助になれば幸いですが、「よけいわからんくなったがやー」というようなメールは、黙って削除させていただきます(^_^;

もっとも、「何かを何かで分けたら・・」のような教え方をしていたのは30年も前のことで、今ではもっとわかりやすい教え方をしているので、分数のわり算で落ちこぼれることもないのでしょう、きっと。これで、21世紀の日本も安泰安泰(^^)


と思っていたのですが、この間テレビで大学生が分数のわり算ができない!!などと言っていたので驚いてしまいました。ゆとり教育のおかげで、高校でやる教科が少なくなったせいらしいのですが、文系の人はほとんど数学をやらないなんて!!

職場で入社2年目の人に聞いたのですが、彼女は高校で物理を一切やっていないそうです。日本でも5本の指にはいるであろう、名門国立大の理系を卒業した人がですよ(*o*)

ちょっと信じられないような・・・・・・・


雑多なこけ -> 保証はしない雑学 -> 数学(さんすう)

Last update: 2000/08/15