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A判B判46判

コピー用紙のA4て何のこと?

JIS(Japanese Industrial Standard 日本工業規格)で定められた洋紙の仕上がり寸法の規格で、A列4番のことです。サイズは、297mmx210mmとなります。しかし、中途半端な数字ですね。なせ300x210ではないのでしょう。

実は、この半端なサイズに重要な意味があるのです。A判の洋紙(B判も同様ですが)は、長い方の辺を半分にする(これを半裁といいます)と、縦横の比率が同じちょうど半分の面積を持った紙ができるのです。

半裁の説明

c:b = b:aとなる

これは、同様の比率の大きな紙があれば、半裁の半裁の半裁の・・・としていけば、無駄なく欲しいサイズの紙がとれることになります。この、同様の比率の大きな紙が、A列0番及びB列0番になります。サイズはそれぞれ、1189mmx841mmと1456mmx1030mmで、面積がほぼ1m2と1.5m2になるように規定されています。

以下が、A判B判のサイズ表です。ともに12番まであります。

A列B列
0番1189x8411456x1030
1番841x5941030x728
2番594x420728x515
3番420x297515x364
4番297x210364x257
5番210x148257x182
6番148x105182x128
7番105x74128x91
8番74x5291x64
9番52x3764x45
10番37x2645x32
11番26x1832x22
12番18x1322x16

A列は国際規格(元はドイツの規格です、グーテンベルグの昔から印刷関連はドイツが本場ですね)をJISに取り入れたもので、B列は日本固有の規格です。 以前はB列が主流でしたが、最近ではA列が主流となっている様です。役所でもA列が増えているそうですし。

洋紙のサイズには、他にも46判や菊判などがあります。 これらはA列B列と違い、半裁にすると長辺短辺の比率が変わってしまいます。


なぜ、このページが算数なのか?

なぜなら、ここまでは前ふりだからです。じつは、このページの本題は、なぜ半裁すると長辺短辺の比率が、元と同じになるか?なのです。

さて、半裁して長辺と短辺の比率が元と同じになる条件とは、どんなものでしょう。短辺を1長辺をχとすると、χ:1=1:χ/2の式が成立する場合、と言うことになります。

半裁して長辺と短辺の比率が元と同じになる条件とは

x:1=1:χ/2

上記のような条件が成立するのは、どのような場合でしょう?2つの比率が等しいのですから、内側同士と外側同士を掛け合わせた値は等しくなります。そこで計算してみると、1×1=χ/2×χ。すなわち1=(χ×χ)÷2となります。

要するに、χ×χが2となるようなχがあればいいわけです。二乗して2となる値と云えば、2の平方根なのでルート2、これが答えです。A列やB列の長辺と短辺の比率は、1:ルート2だったわけです。

簡単でしたか?

試しに、上の表の長辺÷短辺を計算してみましょう。
1456÷1030=1.41359223300970873786407766990291
1189÷841=1.41379310344827586206896551724138
1030÷728=1.41483516483516483516483516483516
128÷91=1.40659340659340659340659340659341
若干異なりますが、ほぼ同じ値となりました。

当然小さくなるほど誤差も増えますから、大きなサイズの方に注目していただきたいのですが、だいたい1.4135・・・〜1.4148・・・あたりでしょうか。

昔「ひとよひとよにひとみごろ」と覚えました。<今でも暗記するのでしょうか?

正確には、1.4142135623730951・・・・・です。

ドイツといえば、長野オリンピックでドイツ人選手が、背中に「独逸」と、でかでかとプリントされたジャンパーのようなものを着ていて、それが妙にかっこよかったのを思い出してしまった。

「下逸」とは違うんだな、これが(^_^;


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Last update: 2000/08/15